すいません、ビニールありますか。

常ならぬ日々のこと。見聞きしたあれやこれやについて。平成生まれ。男性。東京都在住。フリーアルバイター。やや乱視ぎみ。

8/7

 『ダロウェイ夫人』を読み終えた。

 この小説は構想の段階では『時間』という題がつけられていたらしい。

 先を急ぐ快速電車に追い抜かれる鈍行車両のなかで、むかいのホームに立つ親子の、母親に手をつながれた女の子と目が合った。電車が動き出すまで目をそむけなかった。女の子は不機嫌そうだった。

 あの全身で不満を訴えている子。エリザベス。

 あの子は今日のなんらかの理由で駆られていた腹立たしさと一緒に、私のことも思い出してくれるだろうか。きっと思い出すことはないだろう。あの子にはもっと感動的で驚くべきことがこれからひっきりなしに訪れる。

 私は埋もれてしまう。それも一日、一月、一年後の話ではなく、次にどこかしらの改札を抜けるころにはもう置いてけぼりで、おまけに踏みつけられているに違いない。かたや、こうしてつらつらとブログにしたためているというのに。

 この一連の<時間>に対する動揺。きざし。ピントが合おうとしている感覚。

 有害無益なおしゃべり。とにかく努力が足りないのはたしか。猶予も。煮詰めながら味見も同時にしていく必要がある。けれども、出来上がったとして、いったいだれが食べるというのか?