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すいません、ビニールありますか。

常ならぬ日々のこと。見聞きしたあれやこれやについて。平成生まれ。男性。東京都在住。フリーアルバイター。やや乱視ぎみ。

日におよそ平均して三時間、私はイヤホン越しに他人のおしゃべりを聞いている。

ラジオ、ポッドキャスト、リーディングブック。これらの音声コンテンツが三位一体となり、忙しいのに暇というある種の矛盾を抱えて手足のふさがった私(詳細は割愛)を楽しませてくれる。

ここで、そんな私のオールタイムベスト番組をランキング形式で5つ、発表しよう。

と思ったが、脳内で下書きをしてみた結果、途方もなく膨大な文量になったので止めた。

一流の文筆家ならまだしも、私のようなへっぽこが毒にはなれど薬にはならぬ悪文をダラダラ書いてもしようがない。しかしやっぱり書く。尻込みしてばかりのへっぽこなど、へっぽこの風上にも置けないドサンピンである。なんならむしろ、ものすごくダラダラ書いてやろうと思う。

この変わり身の早さ、時代が時代なら英雄になれたかも知れない。現代ではひねくれ者と一言のもとに切り捨てられるが。

 

昔、ポッドキャストに『三十代あずましくない乙女たち』という番組があった。北海道から一般人の女性二人、イチガキさんとありあどねさんが、アニメに旅行に恋愛に、日常の話をゆるーい語り口で交わす牧歌的な番組である。すでにポッドキャスト内での配信は終了しているが、ファンの方が再び立ち上げたのか、番組ホームページがあり、いまでもそこから視聴することができる。私はこの番組が好きで好きで、覚えているだけでも最低二週はしている。現在三週目に突入したところだ。

このお二方からは、完全に偏見だが、北海道の雄大な大地に育てられたような、鷹揚な心構えが見える。何度ニートになっても立ち上がる姿勢は勇者のそれである。なんくるないさの精神である。気候も方角も真逆だが、まあどちらも本島に離れている。雑な括りをしたことを取り消さずに謝罪したい。幸い、ほとんど誰も見ていないから炎上はなかろう。無名でよかった。

とにかく、もう本当に癒される。疲れが爆散する。声が良い、間が良い、言葉が良い。なにより北海道に行きたくなる。観光客を招致するために役人が雇う、素人を装ったプロの仕事かと見紛うほどだ。

現在ちらほら見られる素人さんが配信する番組の草分け的な存在ではないかと思う。

 

バイリンガルニュース』という番組もまた素人の男女二人がやっている番組だ。こちらは現在も続いている。前述の番組とは打って変わって、有益な情報に溢れる啓蒙的な、都会の匂いがする番組である。この番組は教材として大変素晴らしい。聴いているだけでみるみる視野が広がる。自分の無知蒙昧を定期的に確認する意味で、非常に重宝する。この番組から得た知識や教訓は数知れない。賢く優しいMamiさんとMichaelさんを私は尊敬してやまない。信念に基づきスポンサーをつけない方針を選択し続けているのも偉い。リスナーは実際的な手段を用いて応援するべきだ。お金はこういうところで使うためにある。すこしも惜しくない。

 

案の定長くなったが、オールナイトニッポンタマフルを泣く泣く置いて、最後にオススメしたいのはオーディオブック、つまるところ、いわゆる朗読である。私はオーディブルというアプリを使っているが、これは月額制であらゆる作品を好き勝手に読み散らかすことができるといったサービスだ。

私はもっぱら夏目漱石作品専用みたいになっているが、他にもある程度は充実の内容である。

私はここで古典作品を読むこと、これを勧めたい。たとえば漱石にしても、教科書の人、大文豪とやや厳しい印象がついて周りがちなぶん身構えてしまう人も多いだろうが、朗読にして読むと、驚くほどすんなり頭に入ってくるし、また驚くほど面白いことに気がつく。

私自身もここを皮切りにどハマりし、気がつくと漱石オタクになっていた。源氏物語平家物語から、宮沢賢治川端康成ら、また森見登美彦あさのあつこ羽田圭介東山彰良など近年の芥川賞作家まで時代を超えたあらゆる名作の朗読があるため、ここから自分に合う作家を探すのもいいだろう。

 

めくるめく声の世界はすぐそこにある。ぜひ急がれるがよし。