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すいません、ビニールありますか。

常ならぬ日々のこと。見聞きしたあれやこれやについて。平成生まれ。男性。東京都在住。フリーアルバイター。やや乱視ぎみ。

わが青春の名はaiko

人には好き嫌いがある。関心の有無がある。 「太宰治?はいはい、それって『羅生門』書いた人っしょ?」――よろしい。 「イングマール・ベルイマン?だれそれ知らね、サッカー選手?」――結構。 「ハウス・オブ・カード?ロイヤルストレートフラッシュ的な?」…

思い出すこと【千葉暴走】後篇

TOHOシネマズが入っているショッピングモールの中で、私は開場までのあいだフードコートの一角に座を占めていた。麺を2倍増しにした長崎ちゃんぽんをちゅるちゅる啜っている私の向かいで、高校生カップルが横並びに座ってずーーっとインカメで写真を撮ってい…

思い出すこと【千葉暴走】前編

昨夜、もんじゃ焼きをつついていた折、どういった流れでか忘れたが『ラ・ラ・ランド』の話が持ちあがった。 私はこのとき、忸怩たる思いがした。語り口がない。思えば、今年に入ってから一本も映画館で映画を観ていなかった。もともと閉所が苦手で集中できな…

「目標という言葉で事足りるところをあえて夢という口当たりのいい言葉に変換して自分の将来を盛んに語りたがる己惚ればかり一丁前の安い・浅い・薄いと三拍子を見事に揃えた天才的に退屈な人たち」と題して記事を書いていた。しかし書き終えてみてすぐに、…

ぶらりぐだり北九州の旅 後篇

大人三人が集っておきながら、出発予定時刻に遅れること三時間、チェックアウトの十分前になってようやく一人目が起床した。二人目三人目も眠たい目をこすりながら続く。どうも旅のプランはままならないのが常であるらしい。 外に出ると雨が降っていた。四月…

ぶらりぐだり北九州の旅 中篇

博多に着いた我々はまず、公園のベンチに腰かけ、きたる本場九州の豚骨ラーメンに箸をかけるそのときを、いまかいまかと待ち望んでいた。今回の旅行は、いわば食のお遍路である。 私は痩せっぽっちなので小食と思われがちだが、胃下垂なだけで常人よりはよっ…

ぶらりぐだり北九州の旅 前篇

天国をみた。 見下ろす白い雲は切れ目なく彼方まで広がり、ちょうど地平線のようにくっきりと、とある境界から上は一点の淀みなく冴え冴えとした青いばかりの空がかかっている。残すところ太陽を頂くのみとなった空は、空というより薄めた宇宙といった感じだ…

トマト

血がゲシュタルト崩壊した。こんなにも、なんというか、間の抜けた文字だったろうかと頭をかしげる。血で血を洗うとか、血は争えないとか、血にまつわる穏やかじゃない言葉が世の中にはいくつかあるけれど、そもそも血の持つイメージが物騒だったりするけれ…

心中

目を覚ますと、アルストロメリアの白い花が一つ落ちてテーブルの上に砕けていた。 花瓶を洗い、水を替え、茎を切り戻しても、ぐったりしたまま依然として元気がない。だが残るいくつかの花にはいまだ頭を天にもたげ朗らかにほころんでいるものがある。 私に…

K太と会った。彼との再会は半年ぶりか一年ぶりか、記憶に曖昧だが、とにかく、顔を合わせたときの一言目は「久しぶり」であった。寝坊した私に文句を言うでもなく、またこちらからあえて謝罪するでもなく、我々はそれくらいに心安い関係である。 付き合いは…

昨日、つけ麺を食べた。同僚のKさんの勧めである。 私はつけ麺に懐疑的な人間であった。手を替え品を替え、麺を使った料理は昨今、東西に氾濫しているが、中でも、味はラーメンのような、形式はざるそばのような、それでいて新しい存在であるつけ麺を、私は…

開幕

2017年シーズンが開幕、今年も熱いプロ野球の季節がやってきた。 野球は面白い。サッカーやバスケットボールなどと比較すると、テンポが悪く冗長で飽きるという風な声をちらほら聞くが、我々野球ファンはその間にこそ緊迫のドラマを見て喜ぶ生き物だ。 私は…

思い出すこと【新潟弾丸旅行】 後編

高速道路に乗ってしまえば、さすがの我々も迷子になることはない。途中で一度どういうわけか河川敷のような場所に降り立ったが、それ以外にはまったく順調であった。 細かくサービスエリアに寄りながら、運転を代わる代わるに北を目指す。寒さが強くなり、霧…

思い出すこと【新潟弾丸旅行】 前編

前回、ノロウイルスに感染した過去を暴露した。これは文春も真っ青の記事であった。ジャーナリズムが根底から大きく揺れ動いた瞬間である。 とまあ与太話は置いておいて、書いている最中にふと思い出したことがある。流行り病に倒れた丁度その日、私には友人…

健康

寒い日が続く三月の暮れ。春分を過ぎ、世間一般には春の認識である。しかしはたして春は来たのか、いったいどこに来たのか。花粉と冷たい空気だけが身にしみる今日この頃にふとそんなことを思う。 昨年末、ノロウイルスにかかった。 おろおろする一方で、水…

生活

とうとう一月先に差し迫った退職とそれに伴う引っ越し。 だというのに、何一つ決まっていることがない。新居探しも、仕事探しも、驚くほど億劫で困った。 まずなにから片付けていいのやら、一応小首を傾げてうんうん悩んではみるものの、すぐに面倒になって…

はじめに

これは訓練である。繰り返す、これは訓練である。 思い出す。すでにはるか遠くへと離れてしまった義務教育の時分、授業中に突然耳をつんざくような大音量でジリリリとスピーカーからけたたましくベルが鳴り響き、すると先生の合図で授業を放棄した生徒たちは…